ウルトラマンUSA (1987) Japanese Dub (HD)
概要 M78星雲怪獣惑星ソーキンの爆発によって地球に飛来したソーキン・モンスターを追ってやってきた3人のウルトラ戦士が、アメリカ空軍のアクロバットチーム「フライング・エンジェルス」のメンバーと一心同体化を経てウルトラフォースとなり、地球の各地に落下したソーキン・モンスターに戦いを挑む姿を描く。 『ウルトラマンキッズ』を除けば、本作品は『ザ☆ウルトラマン』以来10年ぶりに制作されたアニメでのウルトラマン作品である。『ウルトラマン80』の終了後、日本でのテレビシリーズは休止中であった中、円谷プロダクションはウルトラシリーズのアメリカ進出に際して現地法人ウルトラ・コムを設立したが、同社社長の提案によってまずは実写作品ではなくアニメ作品を製作することとなった。本作品はパイロット版として製作され、好評であればシリーズ化[3]や実写作品の製作も予定されていたが、興行的には失敗となり、シリーズ化は実現しなかった(ただし、視聴率は同時期の子供向けテレビ映画で第3位という好成績を収めた)[2]。アメリカでの実写作品は、その後にオーストラリア製作の『ウルトラマンG』(1990年)の成功を経て『ウルトラマンパワード』(1993年)が製作されている[5]。 主人公は「フライング・エンジェルス」のパイロット、チャック、スコット、ベスの3人で、それぞれウルトラマンチャック、ウルトラマンスコット、ウルトラウーマンベスに変身する。変身の際には特に用具は用いない。彼らはM78星雲から来たヒーローであり、設定上は他の「ウルトラ兄弟」たちも存在する世界が舞台になっているが、本編中では語られない。後年の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(2009年)では当初は登場予定は無かったが、「設定上さしさわりないなら出したい」というスタッフの意向で[6]、宇宙警備隊の隊員としての姿が描かれた。 個性的なメンバーによるヒーローチームという要素はアメリカのヒーローアニメの王道であり[7]、戦士として男性のウルトラマンと肩を並べて戦う「ウルトラウーマン」の登場やキスシーンなど、これまでのウルトラシリーズに無かった試みも多く取り入れられた。円谷皐は「(私が)ウルトラマンを男女3人にしたのですが、熱烈なファンのいる日本でなら抵抗があったでしょう」と語っている。 当初、ハンナ・バーベラ側から提示されたデザインでは、ウルトラマンがマントを付けていた。これは、アメリカでは「マントも付けずに空を飛ぶヒーロー」という概念が理解できなかったからだと言われている[2][8]。日米間で何度も打ち合わせを続け、ようやく決定稿のデザインに落ち着いたという。 モンスターデザイナーの一人である雨宮慶太は、本作品以前に企画されていた映画『ウルトラQモンスターコンチェルト』の怪獣デザイン公募に応募していたことがきっかけで起用された[9]。 国内公開は他の劇場版ウルトラシリーズの多くを手がけた松竹ではなく東宝の配給である。アメリカでは1987年10月12日に全米で初放送され、同時期の子供向けテレビ番組で第3位の視聴率を記録した[7]。